レンアルの居る部屋

  1. 準備運動部部室にて、新藤・牛尾・磯貝の3人が一斉にこちらを見て驚いている。
                【新藤】。千明さんが失踪した!?
                慌てた様子で話す颯太。
                【颯太】。ここ数日会えていないので間違いないです!僕、日頃から彼女を追跡してるので…。くるのがいやになった…?でもなぜ…。
                【新藤】。きみ人心へのさっし悪いな…。まあ…正直僕らも「未来のウォームアップ・マスター」だなんだと言って盛り上がりすぎたとこあるからな…。重荷だったかもしれない…。
                【牛尾】。彼女の人生だし、もしやめたいってことならそれはもうしょうがないよね…。さみしいけど…。
                【磯貝】。ともかく一回誰か本人と会って、ちゃんと意向をきくべきじゃないか?
                【新藤】。うーん…あんま「戻ってこい」的な圧はかけたくないし…なるべくフラットに話せる人が行くべきかな。
                【颯太】。僕も同行させて下さい!それでもし戻ってくれば…!「つらくてやめようとした主人公が仲間の説得の末復帰する」…名場面確定じゃないですか!おさめねば!
                【新藤】。この子エグいな…。行かせちゃダメだ。
  2. 千明、人気の少ない廊下を歩いている。思いを巡らす千明。
                【千明】。(あー、今日も逃げてきてもた…。軽い気持ちで入ったのになあ、皆して人のことうんちゃらマスターて…そんなん思われながら高校生活送りたないわ…あほらし…。やめたいか言うたらあれやけど…しばらく準備運動とは距離おきたいなあ…。)
                そう思っていると、向こうから話しながら歩いてくる男子生徒2人とすれ違う。
                【男子A】。西田って今部活?
                【男子B】。第一体育館。チア部の練習だって。
                【千明】。あーそか…私そもそもチアがやりたかってんなー…前見学行ったときは先輩達の感じがなんか暗くて引いてもうたけど…。
                千明は「ピリついてる木山先輩」や「無表情な福澤先輩」の顔を思い浮かべる。
                千明、しばらく考えたのち、後ろへ向き直る。
                【千明】。…ちょっと行って見よかな。
  3. 体育館にて、千明は入り口に立つ。福澤と木山が快活な表情で掛け声を上げている。
                【福澤】。GO!
                【木山】。FIGHT!
                部員一同、掛け声を上げながらスタンツをおこなっている。福澤と木山はそれぞれ数人掛かりで高く持ち上げられながらしんきゃくをしている。他のメンバー達も2人を支えながらしんきゃくをしている。
                【一同】。し・ん・きゃ・く!
                【千明】。なんでやねん!!
  4. 福澤と木山は千明に気づく。
                【福澤】。おや?あれは…。
                【木山】。あの時の子じゃん。
                福澤と木山、すととんっと床に下ろされながら千明に話しかける。
                【木山】。また来てくれたんだね。
                【福澤】。ふぅ、完成前の「セントラルしんきゃくジャンクション」を見られてしまったな…照れるね。
                【千明】。あるんですかそんな技がチアに!
                【福澤】。実を言うと…以前廊下で君らがしていた準備運動に着想を得て考案したんだ。
                【千明】。え!?み…見てはったんですか!私らの運動がチア部にそんな影響を…。
                【木山】。もしかして入部希望?ありがたいけど…うちらは練習多いし兼部はきついと思うよ。今の部活でしてきた事もあるだろうし…まあ慎重に決めてね。
                【千明】。あー…そう…ですね…。私は…。
                千明が答えに迷っていると、「千明さん、迎えに来たよ!」という声が響き渡る。後ろを振り返る千明。
                【千明】。その声は…準備運動部の…!
                【男子生徒】。膝回しの樋崎(ひざき)さ!
                そこには膝をぐりぐりと回している男子生徒が立っていた。
                【千明】。全っ然知らん人やった!
                その後千明は、わざわざ来てもらって申し訳ないので戻った。

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