レンアルの居る部屋

赤いゼッケンを着けたランナールックの「赤ゼッケンちゃん」。
                果物と酒の入ったバスケットを持ち、祖母の見舞いに訪れている。
                【赤ゼッケン】。おじゃましまー…えっ！(ガーン) おばあちゃんオオカミに食べられてるじゃん！
                赤ゼッケンちゃんはさっしがいい。

赤ゼッケンの声を聞きつけた猟師が訪ねてくる。
                【猟師】。声がすると思ったら赤ゼッケンちゃんじゃないか！今日も走っておばあさんのお見舞いに来たのかい？42.195キロという道のりを。
                赤ゼッケンは涙目になっている。
                【赤ゼッケン】。猟師さん…。

オオカミ、顔を布団にうずめたまま何かを言い始める。
                【オオカミ】。…わたしの耳がこんなに大きいのはお前の声をよく聞くためだよぉ？
                【猟師】。な、なんか言ってる…こんだけさっされてるのに…。

オオカミ、突然がばっと顔全体を布団から出して叫ぶ。
                【オオカミ】。誰が三段オチだぁ！もう普通に食ってやるァ！
                驚く猟師と赤ゼッケン。
                【猟師】。さっしすぎた…！

オオカミ、赤ゼッケンに襲いかかる！
                【猟師】。赤ゼッケンちゃん…！
                ばし！！
                赤ゼッケンに食らいつこうとしたオオカミの顔に、どこからともなく飛んできた何かの乾燥食品の袋が当たる。
                一同,突然のことに驚く

そこに現れたのは赤ゼッケンと同じくランナールックの白髪の女性。ポリ袋に入ったいくつかの乾燥食品の袋を取り出してこちらに見せている。
                【女性】。フゥ…間に合ったようだねぇ。オオカミさんジャーキーはお好きかい？
                【赤ゼッケン】。あれっ！？おばあちゃん…！？

【赤ゼッケンの祖母】。おまえさんがうちの近くを歩いてるのを見てあたしゃ思ったのさ…「あのオオカミ…相当腹を空かしてるな…？このままだとアイツはあたしを襲ったあげくあたしになりすまして見舞いに来た赤ゼッケンまで食っちまう！」ってね。

【赤ゼッケンの祖母】。それでひとっ走り10キロ先のスーパーまで行ってきたってワケさ！カゼ気味で寝てたんだけどちょっとの運動は悪くないねぇ！
                【オオカミ】。そ、そんな遠くまで…？なんかすいません…。
                【赤ゼッケン】。もう！おばあちゃん無理しちゃだめだよ！よかったけど！

猟師はそれを聞いて、「さっしのよさと体の強靭さの隔世遺伝っぷりがすごい…。」と思いながら、笑顔で言う。
                【猟師】。よかったよかった。
                HAPPY END！